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雨宿り

04.09.29 (水)
 窓の外は風雨が強くなってきて,ガタガタと窓を鳴らしている.台風がこの地方に近づいて来ているようだ.私はパソコンに向かいながら,提出期限の過ぎた原稿と悪戦苦闘している.筆が進まない.書けない.いつものことだが,安請け合いして受けた原稿.後で後悔している自分がいる.

 研究室のドアがノックされた.「どうぞ」と声をかけると5名ほどの学生がどやどやと入ってきた.授業と授業の間に空いたコマがあり,外ははげしい雨が降っている,行くところもなく,結局,私の研究室を訪ねてくれたようだ.
「なんだ,雨宿りか」私は少しばかり学生達に皮肉を言いながら席を勧めた.「ああこれでまた原稿が遅れてしまう」心の中で私は嘆いていた.

 研究室には一見するとがらくたに見えるようなものが様々ころがっている.「これ 何ですか」「どうやって動かすんですか」「どんな場面で使うんですか」学生達の遠慮の無い矢継ぎ早に出される質問に私は一つ一つ答えながら,「ああたいへんだ」と感じながら,一方で,そんな学生達とのやりとりを愉しんでいる自分を感じた.学生達の新鮮な好奇心がそう感じさせたのだろう.

 小一時間して学生達は「失礼します」と次の授業に向かっていった.
 窓は相変わらずガタガタと音を鳴らしている.一人残った私には静かな時間が戻ってきた.

 パソコンに向かうと,あの一向に書けなかった原稿も書けそうな気分である.
 どうやら私も雨宿りしたのかも知れない.学生達に感謝.

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