こころの対話
朝の通勤途中,混み合うスクールバスを避けて,路線バスに向かう.
バス停で,明るい話し声が聞こえてくる.どうやらこの二人,ここで初めて出会い,打ち解け合ったようだ.
麦わら帽をかぶった少女は5歳(聞こえてくる会話の中でわかった),少女のお祖父さんに連れられて,プールに向かう途中だ.
リュックを背負った女性はダウン症をもっている.バスで10分間ほどの職場に向かうようだ.
少女がかわいくてたまらなく,それが女性の笑顔から伝わってくる.
二人の楽しい会話は,バスがやってくるまで,そしてバスの中へと続く.
「手にもっているのナニ?」と少女が尋ねる.
女性は「てちょう」.....「しょうがいしゃ」,
すると,少女のお祖父さんが「ノートだよ」と少女にやさしく説明する.
すると,女性は「いや,ちがう」...「しょうがいしゃ」...「てちょう」とゆっくり満面の笑みを浮かべながら少女に語りかける.
その後も,少女の遠慮の無い質問攻めにも,女性はひとつひとつやさしくこたえ,そのやりとりにまわりにいた乗客も思わず笑いがこぼれ,やさしい幸せな時間が流れた.
ここでは,大学での学びの10倍も100倍も,いやそれ以上のまなびがあるように思えた.
少女がこれからも太陽のように明るく育ってほしいとこころから願った.
そして,この女性のやさしい笑顔が頭に焼きついて離れない.
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