20年目の出会い
高知ふくし機器展に今年もよばれ,今,高知市にいます.
会場から宿泊先のホテルへ向かう自動車の中で,送ってくださったOT(作業療法士)のSさん(女性)から予想もしないお話しを聞かされました.
昨年,20数年間近く四肢マヒで寝たきりであったお父さんが亡くなったとのこと.ほんとうはもっと座位姿勢がとれるようにしてあげたかった.それができなかったことがとても心残りだと.
実は,そのお父さんが1991年にNHK教育で放映された「僕の気持ちを伝えたい」をみて,わたし(畠山)に電話で連絡をとったとのこと.
当時,まだ高校生だったSさんの将来についてわたしに相談したとのこと.
この子(Sさん)をどんな道に進めたらいいのか,畠山のような仕事に就かせたいがということだったとのこと.
そこまで言われて,おぼろげながら20年前の記憶がかすかに浮かびました.
でも,私がなんと答えたかは思い出せません.
それを聞くと「患者さんの身近で働く魅力のある仕事として,OT(作業療法士)があります」と答えたそうです.(このくだりは記憶から完全に抜けている)
私の横で運転してくれているSさんは,今,りっぱな作業療法士として仕事をしておられる.
すでに毎年この季節,高知に来るようになってから5年ほどが経つが,何か不思議な糸のつながりのような気がしてならない.
Sさんのお父さんにお会いすることができずに亡くなられたことはとても残念でならないが,SさんがいまこうしてOTとして一所懸命に患者さんのためにがんばっておられることをお父さんは天国で嬉しく,そして誇りに思っておられることと思った.
人と人の不思議な出会い,その一つ一つを大切にしたいと感じました.
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