表紙 前へ 次へ 最後 目次 蘇った命の後に
(追補 あとがきに代えて)気管切開を受け早五年、あれほど苦しかった毎日が遥か遠い昔のように思える。
人間の気持ちとはいい加減なもので、苦しく辛いときは命も終わりかと思い、危機迫る思いが遠退け、何もなかったように全て振る舞っている。
ドクターの決断によりふたたび蘇った命によって、思いもよらない体験もできた。その自信が更に次の夢に向けて私の心を奮い立たせている。
私は本当に欲深い人間である。夢のようなことを考え、それを実現できることを夢見ているのだから、命がいくらでも続くような錯覚が心の奥深く潜んでいるのかも知れない。
本来なら生きる期間が延びたことを感謝し、それだけで満足すれば周りの人々に迷惑を掛けずに済むのだ。しかし私には満足できない。折角命を延ばして貰ったのだから、残された命を満足した生き方で過ごしたい。それも長年住み慣れた今の環境とは違う環境で生きてみたいと思うのである。それにはもちろんどこでもいいのではなく、できることなら私の心を揺すぶってくれた人の目指す環境を望む。それを口にすれば贅沢だと言う人もいるだろう。それと同時に、今の環境で満足しその中で納得した生き方をすればいいのではと思う人もいるだろう。しかし何かが違うのである。
もし叶うのであればその願いを叶えたい、叶えて貰いたい。たとえそれが命の短縮に繋がったとしても悔いを残さないと思う。動画像を見るにはココをクリック(716KB)
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