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2007年2月 8日 (木)

悪戦苦闘のヒゲ剃り

フィラデルフィアカラーを頸部に装着していると,ヒゲ剃りはとてもたいへんである.鼻の下や頬あたりまではなんとかできるものの,アゴや首周りなどはカラーに覆われている.
仕方がない,しばらくこのままにしておくかと思っていたら,連れ合いと娘が口をそろえて「汚い」,そのまま放置するのなら「もう見舞いに来ない.面倒見てやらない」と言われしぶしぶヒゲを剃ることにした.

 カラー装着者がヒゲ剃りを行うには,頸部に負担を与えないために,以下の前準備を行う.
1.ベッドに仰向けで寝る(仰臥位姿勢)
2.頭の左右に砂嚢を積み上げ首が左右にぶれないようにする.
3.アゴ下のマジックテープではずしカラー前部を取り外す.
 これにより首周辺前部が開放状態となる.
 あとは,手鏡と入院前に購入した最新式のBRAUNシェーバーさえあればうまくヒゲ剃りができると思っていた. そこから先,惨憺たる状況が生じた.
 シェーバーが軽快にヒゲ剃りをし始めてしばらくして,口の周りに異変を感じた.
 目を懲らして手鏡を見ると,ヒゲ剃りくずが口のまわりを中心に顔の両サイドに,まるで黒い雪が降ったようにばらまかれていた.
 よくよく考えればこのような結果が生じることは十分に予想されたはずだが,目先の必要性に追われて軽率であった.
 途中でやめるわけにもいかないので,ヒゲ剃りくずがさらにばらまかれるのに耐えながら作業を進めた.その間,ヒゲ剃りくずが鼻の穴から吸い込まれないように,じっと息をとめていなければならなかった.
 ヒゲはなんとかキレイに剃れたものの,それから後がたいへんだった.首周りはもちろんのこと,カラー後部,ベッドシーツ,パジャマ,それらすべてにヒゲ剃りくずが付着し,その後の清掃にたいへんな手間がかかった.
 カラー装着者だけでなく,ベッドでの生活を余儀なくされている人々はどのようにヒゲ剃りをしているのだろうか.
 下手に自分でやろうとせず,最初から他者の手を借りて,電気シェーバーではなくカミソリとヒゲ剃り用フォームを使った方がいいのかも知れない.
 ひところ,日立がバキューム付きの電池シェーバーを販売していた.通常のヒゲ剃り状態でもヒゲ剃りくずを吸引しないためにと宣伝していたように記憶している.
 普段何気なく便利に使っている電気シェーバーにこんな不便さが隠れているのだということを思い知った.
 愛用するBRAUNシェーバの担当者に会うことがあったら,ぜひベッドの上で快適にヒゲ剃りできるバキューム機能オプションを追加できるシェーバーを実用化してほしいと伝えたい.私だけではなく,全国,何万人,いや何十万人の人たちおよびその介護者が助かるに違いない(と思うけど...ちょっと自信がない).

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