遺書
気温は低いがすがすがしい朝
手術に対する不安や恐れは不思議と一切ない
すべてをこころから信頼する中井先生と佐々木先生にお任せする
万が一に備えて「遺書」というものを残す
この家族に生まれてしあわせだった
父親が遠い世界のことに思いを馳せることを教えてくれた
母親がものごとに対する感受性や身近なものへの好奇心や思いやりのこころの大切さを育んでくれた
二人の姉には末っ子としてかわいがってくれた
ありがとう
妻とは不思議な出会いだった もう一度生まれ変わってもこの人と、ともに暮らしたいと感じるだろう
息子には自分の中に夢や希望を自由に描いてほしい 人生まだまだこれからだ
娘にはいい人と巡り会ってほしい
いくつかお願いがあります
もし私が死んだら身内だけのお葬式にしてください
戒名というのもいっさいいりません
小さい頃は嫌いだった名前だが,これが自分の名前だから
質素で華美にならない宗教によらないさよならの会にしてほしい
バックには「千の風になって...」を流してほしい
遺骨はお墓の中に入れなければならないだろうけれど、ほんの少しでいいから思い出深い襟裳の昆布取りの浜でそっと風にながしてほしい
まだまだやらなければならないこといっぱいあるだろうけれど、とても幸せな人生だったと感じる
これまで仕事を通して多くのことを教えてくださった患者さんたち、伝えることの役割や面白さを教えてくれた学生さんたち,仕事を通しておせわになった方々、友人に深く感謝いたします。
最後に、両親、そして家族に心からありがとうを言いたい
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